鎌倉花暦 | 冬の花を守る為の知恵

Written by Mieko☆

鶴岡八幡宮の源氏池畔の神苑ぼたん庭園では、1月1日から2月中旬頃にかけて「正月ぼたん」が楽しめます

本来、牡丹は4月下旬~5月が見ごろなのですが、

この時期に咲いている牡丹は「冬牡丹」や「寒牡丹」と呼ばれています。

 

「冬牡丹」は春に咲く牡丹を温度管理などにより“春だよ”と思わせて冬に咲かせたもの。

一方「寒牡丹」は春と冬に咲く品種で、牡丹自身が寒いことを知りながら咲くそうです。必要のないところには養分は送らないと決め込み、花を咲かせることに全集中するので、「寒牡丹」には葉がほとんどありません。

 

鶴岡八幡宮の冬牡丹は、鎌倉で栽培管理されているわけではなく、島根県の大根島で育成した冬牡丹を秋に鎌倉に数千株持ってきて植えているそうです。

見頃を過ぎた冬牡丹は新しいものと植え替えることで、長期間にわたって見頃の冬牡丹を楽しむことができるそうな♪

 

「冬牡丹」は春に咲く品種を冬に咲かせているので、寒さに弱く、わらぼっちなどで覆われています。

 

植物を霜や雪から守る「わらぼっち」

一株ごとに被せられた様子は、まるで帽子を被っているかのようでもあり、小さな家のようでもあり、

可愛らしいです。

さて、そのわらぼっちに使われている藁ですが、

敲くと柔らかくなり弾力性も増すので、細工がしやすい。

さらに、保温や防水効果、通気性にも優れていることから、さまざまなものが作られています。

 

わらじやみの、かさ、ムシロ、屋根葺きや土壁にも藁が使用され、日本人の生活に密着しています。

そして、藁の凄いところは、土に還るということ。

まさに環境リサイクルと言う事なのです

 

そんな事を頭の片隅に置いて牡丹を鑑賞するのも、

これまた趣あるのではないでしょうか?